民間でできることは民間で。行財政改革の推進

 

ーーPFI方式の他に、東根市が全国に先駆けて行った取り組みがあれば教えてください。

代表的なのは「行財制改革」です。

平成17年4月にオープンした総合保健福祉施設『さくらんぼタントクルセンター』を建設するにあたって、最初に取り組んだことです。
当時は誰も「行財政改革」とは言っていませんでした。
小泉元総理が、郵政民営化の議論の際に『民間でできることは民間で。』と訴えて注目されましたが、実は私が一番初めに「行財政改革」と言ったのではないかと思っています。
具体的に行ったことの1つに、職員数の削減が挙げられます。
私が市長に就任したのは平成10年9月ですが、そこから平成15年までの間に退職する予定の職員は110名でした。
課や係の再編を行い、この間、新規採用者を退職者の半分に抑えることで、新たに財源を生み出しました。
また、さくらんぼタントクルセンターの管理運営はNPO法人に任せています。

 

ーー民間活力も導入されているのですね。公民連携に関してはどのようにお考えですか?

もう行政が全ての施設を維持管理する時代ではありません。
さくらんぼタントクルセンターの他に、窓口業務の民間委託も行っています。
市民の方からは、『市役所なのに、ホテルのような受付だ』というお褒めの言葉を頂きました。
このように、民間ならではの視点や業務の進め方が市役所の仕事を良い意味で変えることもあるのです
そういうものを引き出すのが、今の時代に求められる首長の役割だと思います。
先ほど紹介したPFI事業の時もそうでしたが、何でも、新しいことしようとしたら反発する人は出てきます。
だからこそ、市長は自信を持って、説明責任を果たさなければなりません

東根市の課題と展望

ーー最後に、東根市の課題と今後の展望についてお聞かせください。

今の東根市の勢いを持続させるために行なっていることとして、大きく以下の2点が挙げられます。

 

市の課題 直近の取り組み
国道48号線の脆弱性の解消 重要物流道路制度」に指定
教育振興 学力向上支援員、ALTの配置
東桜学館中学校・高等学校と同様の教育環境の導入

1つ目は、国道48号の脆弱性の解消に向けた取り組みです。

現在、週末は1万台以上の交通量があるのですが、さくらんぼが旬を迎える時期には、1日1万5千台もの交通量になり、パンク状態になってしまいます。

また、仙台圏と山形県を結ぶ大動脈であるにも関わらず、気象条件によって連続降雨量が180ミリ以上になると事前通行規制が実施されることも大きな問題です。

こういった脆弱性を解消するための第一歩として、国土交通省から、安定的な輪送を確保するため、道路の機能強化や重点支援を行う「重要物流道路制度(※)」に指定されました

さらなる円滑化と、将来的に高速化を実現することを目指して、仙台市や周辺市町と連携しながら取り組みを続けていきます。

※重要物流道路制度
平常時、災害時を問わず、安全で円滑な物流を確保するために、
①トラックの大型化に対応した道路構造の強化
②災害時の道路の啓開・復旧の迅速化 (地方管理道路の災害復旧等代行制度の創設)
③民間直結スマートICに係る無利子貸付制度の創設
等の支援を行う制度
(出展:国土交通省「重要物流道路制度の創設について」)

 

ーー2点目の「教育振興」についても詳しくお聞かせください。

具体的には、3年前から、市内14校の小中学校全てに1名ずつの学力向上支援員と、5つの中学校区に7名のALT(外国語指導助手)を配置するなど、基礎学力や語学力の強化を図っています。

2016年に開校した、県立中高一貫校の東桜学館は、山形県全体から生徒が集まっている学校であるため、ものすごく優秀です。

この東桜学館では、語学や理数科目に力を入れるといった教育を展開しています。

こうして優秀な人材を育成している一方、他の学校と学力格差が開くのではないかという懸念があります。

そのため、東桜学館の理念に則って、既存の14校の市立小中学校にも東桜学館と同様の教育を導入しています

これら2つの取り組みを通じ、持続的な成長を遂げ、
『よし、住むなら東根だね』と思ってもらうことを目指しています

6期目というベテラン市長でありながら、現状に満足せず、さらなる発展を目指してチャレンジし続ける土田市長。

確かなリーダーシップと、そのアグレッシブな姿が印象的でした。

貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

 

 

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