ーー特に解決したい丸森町の課題を教えてください。

今も止まりませんが、人口減少です。人口減少によって地域の活力が低下してしまいます。

なんとか若い人に残っていただけるようにしなければと思っています。

若い人に残ってもらうためには雇用の確保が必要ですから、立候補した時は、企業誘致をするなどして、経済的に生活できるような環境を作っていきたいと考えていました。

でも、企業が来るかどうかは企業次第なんですよ。

企業が来るまで待っているかと言われると、ただ待っているだけではだめです。

じゃあ今あるものを活用しましょうということで、基幹産業の農業です。農業の生産額を上げて、農家が豊かになり、農家が商店街でたくさん買い物できるようになれば、商工業の人たちにとっても良いわけですから。

農業産出額を増加させるためには販売力の強化が不可欠です。

農家は生産することはできるのですが、自分で販売することは難しいかもしれない。

そういった意味では丸森町の地域商社であるGM7が設立されて、販売もできるようになりました。

次は、例えばコメと一緒に「こういったものもいかがですか」と、他の作物も一緒に販売するといったこともしていくべきです。

人口減少の解決策として、町外から移住者を呼び込むことも挙げられます。

その上で、地域おこし協力隊の皆さんが果たす役割は大きいと思います。

「丸森町はこういうところだよ」ということを、町内の誰かが一人だけで発信するのではなく、町外から来た協力隊の皆さんが発信することで、「本当に丸森って良いところなんだ」ということを町内外の皆様に分かっていただけるのではないかと思っております。

協力隊の皆さんのように、事業展開をしながら丸森町でも生活できることを知ってもらうことで、より丸森町で生活することの楽しさが伝わると思いますし、地域おこし協力隊の活動を見ることによって、町内の皆さんに「自分たちにもこんなことができるのか」ということを知ってもらい、刺激に感じてもらいたいです。

データを見ると、全国的に新しく農業をやりたいという新規就農希望者が多いそうです。

そんなに希望者がいるのにまだ移住者を呼び込めないのであれば、まだ何かが足りないということですよね。

「丸森といえばこれ」という基礎となるものが、まだ出来上がっていないのではないかと思っています。

基礎となるものをしっかり作って発信し、丸森町に来てもらう。

そして地域おこし協力隊が将来的に農業や民泊、加工といったことをしながら、ここで生活をしてもらえればなと思っています。

ーー丸森町をどのような町にしたいですか。また、その実現のために役場職員に心掛けてほしいことは何ですか。

高齢化率が高いですから、とにかく健康で過ごせる町、そして若い方々に活気のある町にしたいです。

また、町外から移住してきた人と地元に残っている人が一緒に将来の丸森像を見出していけるような環境ができれば、と思っております。

課題はなんといっても人口減少ですが、課ごとに人口減少を緩やかにする解決策があるのであれば、週に1回、10分でもいいから、その検討をして欲しいです。

第五次丸森町総合計画が今ちょうど半ばなのですが、計画を立てたことによって、会議の目的を定めることが容易になり、スムーズに会議を進めることができます。

「この会議はこういった目的があるから、自分たちはこの短時間の中でこう進めます」ということを習慣にすれば、職員はもっともっと伸びると思います。

若い方々についてはやはり郷土愛なんですよね。町長に就任してからは、郷土愛の精神を養うような教育が足りないのかな、と思うようになりました。

私たちは町に残って生活できているわけですから、地域を愛することと経済的な面がくっついたときには、丸森町に残ってもらえると考えています。

丸森町に残って色んな組織で活動しながら、地域のことだけじゃなくて、自分たちの趣味のことについてでも、集まって話し合いをするような場が少なくなってきたような気がします。

若い方々が集まれる場があれば、そして将来を考える場があれば…それはもしかすると、最初の段取りを役場職員がしなくてはならないのかなと思います。

ーーこれからの意気込みと職員へのメッセージをお願いします。

職員にやる気があれば、健康で良い考えがあれば、それを吸い上げます。

これもだめ、あれもだめと言ったら、誰もやる気が出なくなります。

今の若い人たちは私よりも進んだ考えを持っているものですから、それをしっかりと私が理解できるように、説明してください。

私が理解できるように説明できる人は、町民にもしっかりと説明できます。

そういったやる気のある職員を育てるのが私の仕事です。

執行者として強い責任感を持ち、職員の挑戦を後押しする保科町長。

インタビューでも職員への期待、信頼が伝わってきました。

貴重なお話をありがとうございました!

 

 

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