今回の首長インタビューは、宮城県栗原市の千葉 健司市長。

栗原市は、本州で初めてラムサール条約に認定された伊豆沼や、全国苔フェスティバル、そして最先端の産業集積をおこない、魅力あるまちづくりをおこなっています。

栗原市の魅力や、将来の展望について千葉市長にお聞きしました!

 

 

まちを出て気付いたふるさとの魅力。「ふるさとに尽力したい」がきっかけに。

わたしは大学を卒業後、金融機関に就職をしました。しかし、金融危機の中、銀行が破綻してしまったため、商社へと転職をしました。当時はまだ栗原市は誕生していませんでしたが、わたしの祖父も父も町長をやっていたため、政治に対して関心は強く持っていました。

そのような中、全国にもあまり例がない10カ町村という広域な合併により、栗原市が誕生したというニュースが、ふるさとを離れていたわたしの耳にも入ることになったのです。

その当時わたしは、銀行に勤めていた時期で、転勤があったため、東京をはじめ様々な地域を見る機会がありました。そのような状況でしたので、ふるさとを客観的に見ることが増え、「いずれはふるさとに尽力したい」と考えるようになりました。そのとき考えていたのは、「合併を機に栗原を再生すべき」ということ。そのことについて常に問い直した末に、もっとすべきことがあるのではないかと考え、立候補しました。

当選後は産業構成など、ゾーニングを再度しっかりおこなうこと、そして限りある財政でいかに栗原市として発信をするかを考えていました。

そこで思いついたのが、道の駅を起爆剤にすること。道の駅を産業、観光、防災それぞれの拠点にしようというのが当時の私の考えでした。

 

外に出て初めて気づく、すばらしさ。栗原の良さを伝えたい。

栗原市は、住みたい田舎ベストランキングで、2019年は東北エリア総合部門第一位、2020は第2位にランクインしました。2017年にベスト3にランクインしてから、4年連続で総合部門ベスト3を達成しています。

かねてから若者の移住・定住をポイントにしていたので、それが報われた結果だと感じています。

若者の移住・定住のために「子育てのまち、くりはら!」にしようと働きかけたことや、栗駒山や伊豆沼、内沼、田園風景など豊かな自然が評価されました。

ラムサール条約では昭和60年に伊豆沼・内沼が釧路に次ぎ2番目、本州では初めて指定を受けることができました。しかし栗原に長く住んでいる方にとって、それは当たり前のものになっています。わたしは外に出て栗原を客観的に見ることで、栗原の自然の豊かさをあらためて素晴らしいと感じましたし、市民の皆様にも「これは当たり前じゃなく、素晴らしいことなんだ。」と感じていただきたいと思っています。

取材風景

栗原を知り、栗原を深める。農工商市役所、すべてがトップになるような栗原型の観光を。

わたしはよく、「第一市民、第二市民、第三市民」という言葉を使います。第一市民は、栗原で生まれ、栗原に住んでいる方。第二市民は、栗原で生まれ、市外で暮らしている方。第三市民は、栗原に縁もゆかりもないけれど、栗原のファンでいてくれるいわば関係人口と呼ばれる方。栗原市はこの三市民によって支えられています。少子高齢化が進む中、いかにこの三市民に着目し、ひとつも欠落させないかが大切だと考えています。

そしてわたしのまちづくりの考え方のひとつに、栗原市を会社としてみるというものがあります。

それは栗原を市のひとつとしてではなく、「栗原観光」というホールディング会社と考えるというものです。栗原観光の中に、農業があり、商業があり、市役所もある。どの部門もトップを目指し、それぞれがおもしろい取り組みをすれば、それが観光資源になるという考え方です。

それぞれがトップになり、観光資源になれば、栗原市はもっと輝くまちになります。

 

また、栗原市には絶対的なシンボリックな栗駒山があります。そこで溜まった雪が一迫、二迫、三迫、それに類する川へと流れ込み、生の営みを生み出す。そしてそれを伊豆沼・内沼が受け止める。そこには10万羽を越える渡り鳥がやってきます。栗原の大きな特色が、この豊かな自然です。

これらも栗原市にずっと住んでいると、日常風景として当たり前になるものです。しかし、関係人口である移住・定住してくれた方が、その魅力に気付いてくれる。それが栗原に長く住んでくれている方にも伝わり、栗原の魅力に気付くことになります。

他にも田園風景に映える長屋門が、ひとつのまちに約540棟もあるなど、栗原には多くの魅力があります。栗駒山と伊豆沼だけではなく、栗原市に住む方、そして古民家などの景観、こうしたものをもっと発信していき、栗原型の観光を作っていきたいと考え、くりはら遺産プロジェクトを立ち上げました。