ガバメントクラウドファンディング達成までの苦労

 

「復興が完成して終わりではなく、どのようにして復興した姿を見てもらうか、どのようにして持続的なまちを作っていくのかが重要」と語る山田市長。

しかし、目標達成は容易なことでは無かったといいます。

「最初は鳴かず飛ばずで、市の部長や課長たちがちょっとずつ協力してくれるなど、私の周りから始まりました。

それでも1,000万には全然届きそうもなかったため、やっぱり情報発信であろうということで、クラウドファンディングに至った背景や私の想いを届けました。

情報発信を行う際には共感を呼ぶストーリーを作り、人々に訴えかけていく工夫をしました。

ストーリーを作る際には、市役所だけでなく、観光物産協会の方々にもご協力いただきました。

これと同時に、トップセールスも積極的に行いました。

これまで復興事業に携わってくれた方や、ボランティアに来てくれた方など、そういった方々にお会いする度に、寄付の呼びかけを行いました。」

 

交流人口拡大のために

 

2018年12月に名取駅前にオープンした複合施設に併設された名取市図書館は、現在、来館者20万人。おそらく1年を待たずして来館者30万人を突破する見込みです。

また、閖上地区には「名取トレイルセンター」や、同地区の商業拠点となる「かわまちテラス」をオープンさせるなど、”定住人口”を増やすことだけでなく、”交流人口”を増やすことにも注力しているそうです。

「全国的には多くの自治体でも人口減少が起きていて、定住の促進はもちろん、交流人口をどう拡大していくかが大きな課題となっています。

交流人口の拡大は、地域にお金を落としてもらうことで地域経済が潤うことにもつながりますし、人との交流が生まれることで、まちのにぎわいにつながります。

色々な人が集まる拠点を増やしていきながら、それぞれの連携を図っていくということが大事だと思っています。」

 

これからのまちづくりのビジョン

 

2020〜2030年の11年間に渡る第六次総合計画の策定を進めている今、既にある地域資源や課題と向き合いながら、これからのまちづくりのあり方を描いています。

どのように定住を促進して人口を増やしていくかどのように人が集まる拠点施設を活かして交流人口を拡大していくか、そして、どのように地域産業を振興させていくかということが大きな柱になっていくのではないかと思います。

また、地元の経済と雇用を支えている中小企業をどのようにして元気にするかということも大きな課題の一つです。

出来る限り地域の方々と対話しながら、現状の悩みや実情を聞いていきたいと考えています。

そして、なんといっても仙台空港という空の玄関口、全国でも28か所しかない拠点空港があるわけなので、仙台市と隣接した立地の強みを生かし、広域的な自治体連携を図りながら、空港と共生するまちづくりを進めていきたいです。」

民間での経験を活かし、経営感覚と豊富なアイデアをお持ちの山田市長。

首長の立場で、復興の完遂とその先にある市全体の発展を牽引していってくれるに違いありません。

貴重なお話をありがとうございました!

 

 

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佐藤 桃子 MOMOKO SATO

東北大学経済学部在学中。
2018年2月にMAKOTOグループにインターンとして参画。地方自治体向け新規事業開発、広報等の業務に従事。

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