「利府町おもてなし運動」の盛り上がりの様子、私もSNSで拝見していました! 町長はなぜチャレンジ精神が重要だと考えているのですか。

町の可能性を信じているからです。

2001年には国体、2002年には日韓ワールドカップの試合会場として利府町内の施設が使用されました。

また、2020年にはオリンピックの一部競技が利府町で行われます。

そして海側に行けば日本三景の松島もあります。

このような町は日本全国を見渡しても他にないと思います。

しかも2020年のオリンピックは、最低でも世界の30億人が見るんですよ。

30億人に利府町をアピールできる絶好のチャンスですから、職員の皆さんにはその可能性に賭けて、もっと積極的に「利府町でこんなことをやりたい!」「国にこういうことを働きかけてください!」と言ってほしい。

そういうことに町長を使ってほしいんですよ。

まだこういう提案が出てこないのが課題ですかね。

そのために、チャレンジ精神やシビックプライドの醸成に向けた意識改革が必要です。

職員の意識改革のために行っていることはありますか。

「町長日記」というものを毎日書いて職員に向けて発信しています。

「どういう想いでこの施策をやろうとしているのか」ということや、日々のことなどについて綴っています。

また、直接コミュニケーションをとるために「ランチ会」を開催しています。

「ランチ会」は、年次など関係なく、様々な職員とランチを共にするというものです。

最初にも話しましたが、自治体の運営は団体戦です。

町長が1人で面白いことを掲げて走っていても、周りの職員が付いて来ないと意味がありません。

常にリーダーが職員とコミュニケーションを取り続けて、良いチームプレーをすることが大事だと考えています。

しかし、町長室で1人で執務することも多く、職員の皆さんとコミュニケーションをとる時間を多くとれていない状況です。

このような状況下で、どのようにコミュニケーションをとるかということについては、就任から1年が経った今も模索しています。

熊谷町長がこれから取り組みたいチャレンジングな施策はありますか。

2020年の東京オリンピックの会場となる宮城スタジアムとその最寄り駅の利府駅間の道のりに「おもてなしロード」を作りたいと考えています。

「利府町おもてなし運動」と重なる部分もありますが、いろいろなお店が「おもてなしロード」沿いにあり、お店を楽しみながらいつのまにか会場に着いている。

このような体験を、オリンピックで利府町に来る方々にしてもらいたいです。

オリンピック後も、年間130万人に及ぶ宮城スタジアム・グランディ21に訪れる方々に向けて、継続的に町の魅力をPRしたり、物産の販売等をしていくことも考えています。

コンサートやスポーツ観戦と同時に、少しでも利府町にお金を落としてもらえれば、経済効果は非常に大きなものになると考えています。

これからの意気込みと職員へのメッセージをお願いします。

皆さんの中には「失敗したくない」とか「失敗したら出世できないかもしれない」などと考えている人もいるかもしれません。

しかし、チャレンジなくして明日の利府町はないと考えています。

チャレンジ精神を持てるような意識改革を今後も進めていきます。

「チャレンジ精神」を重要視しながら、職員と向き合っている熊谷町長。

「自治体は団体戦」との言葉通り、職員、地域を巻き込みながら、利府町の明るい未来に向けて様々な施策を考え、実行している様子が印象深かったです。

今回は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

 

 

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佐藤 桃子 MOMOKO SATO

東北大学経済学部在学中。
2018年2月にMAKOTOグループにインターンとして参画。地方自治体向け新規事業開発、広報等の業務に従事。

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