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熱意あふれる丸森町職員が、起業家支援団体である一般社団法人MAKOTO(のちに分社化し、弊社 株式会社MAKOTO WILLへ)に相談したことがきっかけで、丸森町での起業家支援事業が本格的にスタートしました。翌年の2015年には、町の起業サポートセンター「丸森CULASTA」が設置され、起業家のサポート環境が整備されました。2020年までの5年間で、のべ881人が起業相談に訪れています。


 

地域おこし協力隊の成果を測る上で最も重要な指標、「任期後の定着率」に課題を抱える自治体も多いのではないでしょうか?

総務省の調査によると、任期後に協力隊が定住する(活動地と同一市町村内に定住した)割合は50.8%に止まっており、2人に1人が活動地を離れるミスマッチが生じていることがうかがえます。

令和元年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果

 

そんな状況の中、任期後のキャリアを見据えた“起業型“地域おこし協力隊の採用に力を入れ、4年間で12名の起業家誘致、1期生の定住率100%を実現させた事例があります。

その名も、宮城県丸森町の「まるまるまるもりプロジェクト」。

 

2017年から始まったこのプロジェクトでは、第1期メンバー5人全員が起業し、任期後の現在も丸森町で事業を行っています。続く第2期、第3期メンバー7人も起業家として町内での事業立ち上げを目指しています。

丸森町では、なぜこんなにも起業型協力隊の誘致、定着がうまくいっているのでしょうか。
本記事では、そのプロジェクトの全体像をご紹介します。

執筆 島越彩香 SAYAKA SHIMAKOSHI
宮城大学在学中に、一般社団法人MAKOTOでのインターンを経験。
2019年5月より、MAKOTO WILLに参画。PR・マーケティングチーム、アシスタント業務に従事。

 

 

消滅可能性都市から、起業家が集まる町へ

福島県との県境に位置する、宮城県丸森町。人口約13,000人ほどのこの小さな町では、人口減少が進み、2014年には消滅可能性都市として指定されてしまいました。

そんな丸森町に転機が訪れたのは、国の政策として「地方創生」が始まった2014年。
熱意あふれる町の職員が、起業家支援団体である一般社団法人MAKOTO(のちに分社化し、弊社 株式会社MAKOTO WILLへ)に相談したことがきっかけで、丸森町での起業家支援事業が本格的にスタートしました。

翌年の2015年には、町の起業サポートセンター「丸森CULASTA」が設置され、起業家のサポート環境が整備されました。2020年までの5年間で、のべ881人が起業相談に訪れています。

MARUMORI_CULASTA

 

また、2017年には地域外からも起業家人材を呼び込めるよう、地域おこし協力隊を活用した「まるまるまるもりプロジェクト」が始動。

移住と同時に、任期後を見据えた仕事づくり(起業)も応援していることから、4年間で12名の起業家を誘致することができました。このプロジェクトでは、町の抱える課題を解決しながら、地方での柔軟なライフスタイルを創り上げることを目指しています。

marumarumarumori_pj2

 

起業家誘致を成功させた官民連携

このような協力隊(起業家)の活躍の裏で、仕掛けづくりを行ったのは丸森町と株式会社MAKOTO WILL、株式会社ラナエクストラクティブの3者。募集開始の段階から、下記のように官民連携することにより、よりインパクトの大きい成果をあげることができました。

このほかにも、住居や店舗物件の紹介、町内コミュニティの紹介などが行われています。協力隊にとっては、町の情報と起業家向けの情報、双方を加味した手厚いサポートを受けられるのが最大の特徴です。

 

marupuro_partnership

 

多種多様な起業家たち

実際に、どのような起業家が丸森町に移住し、起業したのでしょうか?
1期生から3期生メンバーをご紹介します。

marupuro_member

第1期メンバー

●Hütte Momo シェフィン
早川 真里(はやかわ まり)

前職も丸森町に関わり、現在はお宿の女主人として活動中。持続可能な豊かな農村を目指し、農村景観・文化・コミュニティを守ることがミッション。

●MFOTEC IT農業マイスター
平岡 学(ひらおか まなぶ)

IoT技術を利用した高付加価値野菜の栽培やドーム型ハウスでの見せる農業に取り組む。真の農業3K(Kakkoii/Kawaii/Kasegeru)スタイルの実現を目指す。

●ヒトラボ TOHOKU(屋号)
国家資格 キャリアコンサルタント
柴田 北斗(しばた ほくと)

各々の価値観・個性・可能性を信じたキャリアカウンセリング、研修等を通してその人の“ありたい姿”の実現をお手伝いする。

●ザミラ株式会社 代表取締役社長
高野 真一(たかの しんいち)

『人の意識を変えるパンツを作りたい!』と語る高野さん。地方から世界中の顧客から愛されるブランドを目指している。

●LADDA Design
豊田拓弥(とよだ たくや)

丸森町に新しい価値を与えることが目標。コンサルティングやデザインの力を活かした事業創造に取り組んでいる。

 

第2期メンバー

●Tohoku Yurufuwa Design Works
浅野瑞穂(あさの みずほ)

アトリエ&イベントスペースの運営、カウンセラーとして個人のお悩み解決を行っている。

●1000’s BASE
1000(通称せんさん)

多肉植物とまめ盆栽の製造販売を行っている。

●Pomme
林 実里(はやし みさと)

医療従事者へ向けた白衣づくりや、自身のミスジャパンの経験を生かしたまちの魅力発信を行っている。

●株式会社TOWA
代表取締役 山崎孝一郎

丸森産の日本酒づくりや酒粕を活用したスイーツ商品の開発、酒米づくり、まちの魅力を発信するイベント企画運営などを行う。

●マメムギモリノナカ 代表
山下久美(やました くみ)

町内の養蜂園で余っていた地域資源「ミツロウ」を利用し、何度も使えるエコ食品ラップ「ミツロウラップ」を製造・販売。「ふるさと名品オブザイヤー」にて地方創生大賞を受賞。

 

第3期メンバー

●中村真悟(創業前)
筆甫地区で、長期滞在者向けのゲストハウスを整備する予定。

●疋田素能子(創業前)
カフェを起業するための準備中。町内に拠点を複数置くことができるキッチンカー営業を考えている。

 

実際に、移住した起業家たちからは「協力隊としての活動の自由度の高さが魅力的だった」「サポート体制の充実さが決め手になった」「起業家同士、孤立せず相談できるコミュニティがあり安心だった」などと好評いただいています。

また、地域住民からは「若い人が増えて町が盛り上がってきた」「商品やサービスが増え、選択肢が増えた」等の反響をいただいています。

このように、町に起業家が増え、定住することにより、新しい産業・雇用・町の税収などが増加し、将来的な地域課題の解決につながっていきます。

 

おわりに

いかがでしたか?
1期生の定着率100%、4年間で起業家12名を誘致できた成功要因は、下記2点に集約されると考えます。

①協力隊の任期後のキャリアを見据えた仕事づくり(起業)支援に特化したこと
②官民連携により、協力隊にとって魅力的な条件(手厚いサポート)を実現できたこと

 

このプロジェクトは今後も継続していく予定です。2期生、3期生の活躍はもちろんのこと、より起業家が増え、町が盛り上がっていくに違いありません。ぜひ今後の動きにもご注目ください。

 

さいごに、「自治体とともに地方から日本をおもしろく」をミッションに掲げる弊社では、起業型地域おこし協力隊の「企画〜募集〜採用〜育成」まで一貫した支援を行なっております。官民連携を前提とした起業型を採用することにより、定着率が向上するだけでなく、担当職員の重い負担を減らすことも可能です。

その詳細についてまとめた資料「定着率と職員負担を改善!MAKOTO WILLがおすすめする”起業型”協力隊とは?」を無料でダウンロードいただけますので、そちらもぜひご覧ください。

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