今回の首長インタビューは、山形県村山市の志布隆夫市長。

村山市は、そばやさくらんぼなどの産地として有名です。果樹園の推進や子どもを持つ家庭への補助など、長期的な視点から仕組みを作り、魅力あるまちづくりをおこなっています。

村山市の魅力や、将来の展望について志布市長にお聞きしました!

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菅野永  HISASHI KANNO

東北大学農学部卒。地方銀行、公務員を経てMAKOTOへ参画。二輪レースで大怪我をした経験から、「残りの人生かけて大きな挑戦がしたい」という思いが芽生え、ベンチャーの世界へ。福祉系ベンチャー企業への出向も経験し、会計・オペレーション改善・販売促進・組織構築など現場での幅広い経験を持つ。 2018年7月にMAKOTO グループ化に伴い、MAKOTO WILL代表取締役就任。

 

人口維持が最優先の解決課題。財務関係担当からの視線でまちを見つめる。

わたしは学校を卒業後、市役所での勤務をはじめ、35年になります。市役所に勤めてからの半分近くを財務関係の担当として過ごしてきました。財務関係を担当していると、市の財政を見ることになるため、村山市の将来の財政について考える機会も多くあります。当時、村山市の財政はあまり良いものではなく、わが市の財政が悪くなっていることを感じていました。

「何か手を打たなくてはいけないのではないか」そう感じていた時に、地価調査の公表があり、当市の下落率が県内最大ということがニュースで取り上げられました。そのときに「このまちのためにやることがある」と感じ、立候補しました。わたしの中では、市長は市民の幸せのために働くべきという思いがあったので、この機会に何とかすべきだと強く思っていました。

わたしが一番大切だと考えていることは、人口の維持です。人口を維持しないと、収入も減少しますし、市の将来像を描くこともできません。そのため「人口減少に歯止めを」というスローガンを掲げ、必死に取組みました。

人口維持は市町村の維持発展に欠かすことはできないものです。40年ほど前まで周辺市町からも大勢の方が訪れにぎわっていた楯岡商店街が今ではシャッター街になっています。他の地域も例外ではなく、改革が必要だと強く感じています。

 

子どもを持つ家庭の負担減を目指して。長く住んでいただけるまちにするために。

人口減少に歯止めをかけるには、64歳までの生産年齢人口と呼ばれる世代の流出を防がなくてはなりません。多くの場合、65歳以上の高齢者はあまり転出することがないため、いかに生産年齢人口世代にメスを入れるか、ここがポイントです。将来の人口維持のために何をすべきか、考えを巡らせました。

まず間口除雪をおこないました。それまでは雪の降る日はブルドーザーが道路の除雪をしていましたが、各戸の前に雪を置いて行ってしまう状態でした。そのため住民は一時間程度早く起き、雪かきをする必要がありました。これでは負担も大きくなってしまうため、間口除雪を始めることにしました。

他にも人口を維持するためには、子どもを持つ家庭に市内に住んでいただく必要があります。そのため、子どもを持つ家庭への負担を軽くすることも大切だと考え、手厚い手当をおこなっています。たとえば制服代の補助。中学校や高校の制服は費用も高く、家計の負担になります。これを軽減するために補助を開始しました。他にも夢応援奨学金など、子どもを持つ家庭への負担を軽減するための取り組みをいくつもおこない、長く住んでいただけるまちを目指しています。

 

◆子育てスマイルプロジェクト

https://www.city.murayama.lg.jp/smph/kurashi/kosodate/kosodate-smile.html

 

米から果樹へ。仕組みづくりをしっかりとし、市の主産業へ。

今まで村山市は米を主産業としていましたが、それに頼り過ぎていたことも否めません。一昔前には米作りだけで養っていける時代でしたが、現在ではそれだけでは難しいという転換期を迎えています。

そのため果樹をメインにする取り組みをはじめました。田んぼの場合には、高齢で後継ぎがいない場合には、土地の活用が難しい。しかし果樹の場合には、いろんな活用ができる。そうした点も高齢者が多いまちの産業としては、とても合致するものでした。

しかし果樹を作るだけでは後継ぎがいないということも現実です。やはり儲かるものでなければ、続いていきません。そのために作物の価格や売れる果物を市が選ぶようにしました。そして大きな果樹園を作り、儲かる仕組みづくりを始めています。

現在ではトマトやさくらんぼ、すいか、ももを重点的にやっています。これからはハウス栽培にも力を入れるために市がハウスを作り、貸し出すという取り組みも考えています。これにより多くの方に果樹栽培に携わっていただければと考えています。

 

交流人口を増加させ、市を発展させたい。

これから村山市は、もっと交流人口を増やしていきたいと考えています。交流人口とは、地域に訪れてくれる人を指しますが、交流人口が増えることでまちは賑わいます。たとえば村山市はそばの主産地としても有名なので、そばを食べに来ていただくことや、産直に買い物に来ていただくことも大切です。

そばだけでなく、野菜もおいしいと知ってもらえれば、これまで以上に村山市を訪れてくれる方が増えるでしょう。メインで栽培しているさくらんぼやすいかは贈答用にも最適です。そうした魅力を発信していくことも、今後の村山市には大切です。

こうした交流人口の増加は市の発展にもつながりますし、その後市民の皆様にも恩恵があります。現在は果樹など、全体としての売上は確保できていますが、個々の農家の売り上げをもっともっと伸ばしていく必要があると考えています。

そうした個々の農家を支えることで、市の発展が加速していきますし、そのためにもしっかりと支えられる仕組みや取り組みをおこない、中規模以上の農家を増やすことに取り組んでいきます。

 

住める場所を増やし、人口減少に歯止めを。市民のための村山市であるように。

いまの村山市は認知こそされていますが、移住を受け入れる体制があまり整っていません。なぜなら住むための土地があまり多くないためです。ぽつんと一軒だけ空いているといった場所はありますが、若い方はそうした場所はあまり好まない傾向にあります。

認知はされているので、今後土地の確保と整備を進め、住むことができる場所を増やし、人口減少に歯止めをかけていきます。

今後はより一層将来を見据えた施策を打っていくので、市民の皆様には期待をしていてほしいです。その期待に応えられるように精いっぱい動いていきますし、これまでの活動を見ていただければ納得もしていただけると思います。

これからも村山市の発展のため、様々な取り組みをし、市民の皆様が幸せだと思える村山市にしていきます。

村山市を財務の視点から見据え、人口減少に歯止めをかけるために子どもを持つ家庭の負担軽減など、さまざまな取り組みをおこなう志布市長。

課題発見、そして根本的な点から解決していくなど、村山市の未来を見据えた考え方と姿勢がとても魅力でした。

貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

 

 

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監修 島越彩香 SAYAKA SHIMAKOSHI
宮城大学在学中に、一般社団法人MAKOTOでのインターンを経験。
2019年5月より、MAKOTO WILLに参画。PR・マーケティングチーム、アシスタント業務に従事。

 

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