5月28日(木)、「コロナ禍の今、求められる事業者支援とは?」と題したウェビナーを開催しました。

新型コロナウイルスにより大きく変化した、地域のビジネス環境。自治体に求められる事業者支援のあり方は、今後どのように変化するのでしょうか?

開催レポートをお届けします!

 

開催の経緯

開催のきっかけは、元公務員である弊社代表 菅野のこんな想いからでした。

菅野「自治体の中にいると、官民の壁を乗り越えてフランクに情報交換できる機会がなかなかありません。地域や官民に関係なく、他の自治体や会社の取り組みについて、フランクに情報交換できる場がほしいと思っていました。

そんな中、新型コロナウイルスが発生。今後の地域や自治体をどうしていったらよいか考えなければいけない今だからこそ、官民関係なくノウハウを共有できる場が必要だと思い、開催を決意しました。」

本ウェビナーでは、自治体職員の立場から丸森町役場の八島大祐さんを、民間の立場からフリーランスの川口尊男さんをゲストとしてお呼びし、それぞれの立場から考える事業者支援について、考えやノウハウを共有しました。

 

司会進行・ゲスト紹介

<司会進行>

菅野 永 / 株式会社MAKOTO WILL 代表取締役(右上)

地方銀行、公務員を経て2015年1月にMAKOTOへジョイン。二輪レースで大怪我をした経験から、「残りの人生かけて大きなチャレンジがしたい」とう思いが芽生え、ベンチャーの世界へ。MAKOTO地方創生事業を立ち上げ期から担当し、東北各地で自治体と連携した起業家支援プロジェクトを実施。2018年7月にMAKOTO グループ化に伴い、MAKOTO WIIL代表取締役就任。公務員時代は北海道庁市町村課職員として勤務。道内市町村の行財政運営サポート、道内公営企業の経営支援などを経験。

 

<ゲスト>

八島 大祐 氏 / 宮城県丸森町 商工観光課商工班 班長(下)

長く町の産業振興に携わり、町内への事業所誘致ほか新増設8ヶ所など、雇用確保に大きく貢献。2015 年度には、地方創生総合戦略に基づく起業サポートセンター「丸森CULASTA」の設置に尽力し、町内起業者支援のほか、町外からの起業者誘致にも取り組む。 人と人を繋ぐことで大小さまざまな仕事づくりに携わり、現在に至る。

 

川口 尊男 氏 / フリーランス(左上)

キリンビバレッジ(株)で、キリン生茶のマーケティングを担当。 日本パッケージデザイン大賞金賞、日本プロモーション企画コンテストグランプリなどを受賞。2019 年よりフリーランス。企業のマーケティング戦略やブランディングのサポートを行う。

 

テーマ①「地域経済の現状とは?」

前半のテーマは、新型コロナウイルス発生後の「地域経済の現状」について。ゲスト2名から、それぞれの立場でお話いただきました。

 

八島さん「丸森町は人口13,000人、高齢化率40%以上の宮城県最南端の町。産業振興のため、商工観光課商工班では、企業誘致、起業支援、雇用対策などに力を入れています。

このイベントを主催しているMAKOTO WILLには、起業サポートセンター”丸森CULASTA”の運営や、起業型地域おこし協力隊の誘致”まるまるまるもりプロジェクト”などを担当してもらっています。ここ数年で、丸森町では10名の地域おこし協力隊が起業しました。

このように、町内外の企業・起業家支援を積極的に推進していますが、あくまでも「競争ではなく、共創すること」を大切にしています。

丸森町の今の状況としては、昨年の台風19号の被害を受けて、戦略を立てて復活していこうとする中で、今回の新型コロナウイルスが発生し、苦戦しているのが現状です。

町内事業者へのヒアリングの結果、新型コロナウイルスの影響で事業者全体の約6割が売上減少していることが分かり、この課題を早急にどうにかしなければいけないと思っています。」

 

 

川口さん「私はフリーランスとして、地方企業での副業や都内企業へのマーケティングやブランディングの支援をしています。

コロナ禍の企業への影響といえば、感染拡大による行動制限で経済活動が停滞し、資金繰りが悪化していることが挙げられます。影響の濃淡が出やすい要素としては、「業態×顧客・場所の属性」。例えばコンビニは、住宅エリアは好調でも、ビジネス街は苦戦している、といったことが起きています。

また、私が副業している地方企業と、東京の企業を比較してみました。

東京の企業は家賃相場が高く、売上減による固定費の圧迫が激しいので、早急なジャッジが必要です。補助金が届く前に、廃業の見切りをつける会社もあります。ただ、東京は人口が多く、WEBサービスなどが豊富なので、代替戦略を立てやすいという地域特性もあります。

一方で、私が支援している地方企業は、影響は出ているものの即座に経営判断が求められるレベルではありません。そのため、結果的に思い切ったアクションがなかなか起きていないのが現状です。そのアクションには、ITリテラシーが大きく関係していると思います。」

 

 

テーマ②「地方企業に必要な支援とは?」

次に、MAKOTO WILLも含め「地方企業に必要な支援とは?」をテーマにお話しいただきました。

 

八島さん「事業者への必要な支援を検討するため、まず町内の523社に電話や訪問をして聞き取り調査を行いました。その結果、特に影響を受けていたのは飲食店で、売上が半分以下に激減していることが明確に分かりました。

そのことを受けて、町内で起業したデザイン会社と協力し、テイクアウトやデリバリー情報をまとめた「#丸森おうちで外食」プロジェクトをスタートさせました。役場職員も率先してテイクアウトやデリバリーを利用し、私も美味しいものを食べて楽しみながらやっています。

その他にも、「丸森町新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金」や、町独自支援金「丸森町新型コロナウイルス感染症対策中小企業等支援金」をつくって補助金を受付開始したり、さらには、町内の商品券発行事業として「やまゆり商品券」の発行準備を進めたり、好調な企業には雇用増加を要請したり、と様々な支援を行ってきました。

台風とコロナの影響を受けて、今までみんなが見ないふりをしてきた、もともと町にあった課題が顕在化してきたと感じています。丸森町では、ビジネスを通して課題解決することにより、この影響を克服したいと考えています。」

 

 

川口さん「コロナ禍の今、企業に迫られる対応は3つです。

①資金繰り(基本は政策マター)
②オペレーション(リモートワークやキャッシュレス化などオフィスワークのIT化)
③マーケット(ビジネスモデルや戦略の変更、ビジネスのオンライン化)

これらに対応するアクションを企業が起こすためには、ITリテラシーが必要不可欠です。しかし、今までITに触れてこなかった事業者が、これから習得しようとするには時間がかかってしまいます。そのため、今後はITリテラシーのある外部人材が代わりに選択肢を解釈・提示し、いかにサポートできるかがポイントになってくると思います。

その点、副業人材は①〜③についてこのように対応することができます。

①資金繰り→ファイナンスに強い人材が経営者の不安を緩和
②オペレーション→システム導入の目利きやサポート、アウトソーシングの前捌き
③マーケット→環境変化に伴なう戦略の構築、ビジネスモデルの提案や運用(マーケティング)

 

 

菅野「MAKOTO WILLでは、これまで起業支援事業をするなかで起業家・経営者が抱える課題が見えてきました。それは、「日常業務に追われ、自社の成長のための時間を確保できない」ということです。

コロナ禍においては地方でも、ビジネスでオンラインを利用するハードルが下がり、全国の会社がライバルになるという状況が発生しています。

そのような状況に地方企業が対応するためには、経営企画や営業、人事、マーケティングといった、中長期的に重要度が高いテーマについての支援が必要になってきます。

そこで、弊社では「スキルシフト」という都市部の人材と地方企業のマッチングサービスを提案しています。年収1,000万以上の地方に貢献したい都市部の人材を、地方企業は月に3~4万円で雇うことができ、人材不足やコスト削減に悩む企業に期待できるサービスです。

弊社では、導入を検討している事業者に対して、経営課題のヒアリングやマッチングのサポートを行うことで、事業者支援を行っております。

実際、このサービスは弊社でも導入しており、今回ゲストでお越しいただいている川口さんに副業人材としてマーケティング支援をいただいております。」

 

質疑応答

これまでのゲストお二人の話に対して、参加者のみなさんから9つの質問をいただきました。中でも2つをご紹介します!

 

<川口さんへの質問>

Q.このご時世で、副業したいという方は多いのでしょうか?本業の対応で忙しい等も考えられるかなと思いました。

川口さん「本業が忙しくなった方は考えている余裕がないと思いますが、逆に本業がなくなったという方も多く、副業したい人は増えていると思います。

副業の禁止を解く企業も増えてくると思いますし、一つの企業だけに収入源を頼っている危うさを感じる人も出てくる人も増えるので、総じて副業する人は増えていくと思います。

また、都市部ではコロナ前から地方に関心を持つ人が増えている印象がありますが、リモートワークの導入や価値観の変化によって住む場所が関係なくなったので、今まで以上に地方に関心を寄せる人は増えていると思います。」

 

<八島さんへの質問>

Q.経済がV字回復を果たすため、行政が取り組む施策として、プレミアム商品券や旅行券以外に何が考えられるでしょうか?

八島さん「丸森町で私が何をやるべきか、という観点で話すと、ビジネスで課題を解決したいです。仮説を立てたら一度やってみて、結果を検証してPDCAを回していく。

これをやったら解決する、みたいな特効薬はないと思っています。ですので、大きなことをやるのではなく、目の前の事業者一人ひとりに課題をヒアリングし、その困りごとをどのように解決するかを模索していきたいです。

きちんと相手の目を見て「大丈夫です!なんとかなりますから!」と役人が責任をもって声がけし、一緒に同じ方向を見て取り組んでいくことが一番大事だと思っています。根性論になってしまいますが、役場職員としてこのような心構えを意識しています。」

 

おわりに

いかがでしたか?

事後アンケートでは参加者の87%の方が「とても満足」「やや満足」と回答し、「今回学んだ副業人材活用等の支援は効果的なのではないかと感じました」「質問に対する八島さんの回答が、同じ公務員として大変響きました。素晴らしい企画をありがとうございました。」などの感想をいただきました。

MAKOTO WILLでは、自治体や民間企業へのスキルシフト導入のサポートを行っています。ご興味のある自治体職員の方、民間企業の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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