5月26日(火)19:00〜20:30、これからの自治体における働き方を見直すウェビナー(=ウェブセミナー)を、Zoom上で開催しました。

既にリモートワークを導入している神戸市役所の先進事例を学ぶ、「神戸市に学ぶ 自治体リモートワークのすすめ」とは、一体どんな内容だったのでしょうか?

自治体職員必見のウェビナーを、開催レポートとしてお届けします。

佐藤 柊 SHU SATO

東北福祉大学在学中。2019年4月にインターンとして参画。
広報・マーケティング等に従事し、社外では、仙台市を中心にまちづくりに取り組む団体「せんだい未来会議」の代表も務める。


「神戸市に学ぶ 自治体リモートワークのすすめ」ウェビナーとは?

働き方改革や公民連携の先進自治体である神戸市役所。 その神戸市役所から公務員アワードを2年連続で受賞された企画調整局つなぐラボ特命課長秋田大介さんをお招きし、東北の自治体の皆様とともにリモートワーク(在宅勤務)について学びました。

今回は下記の3本立て+質疑応答を行いました。

テーマ①神戸市役所の働き方改革について
テーマ②秋田氏のリモートワークの状況について
テーマ③これからリモートワークを導入する自治体へアドバイス

セミナー開催に至った経緯についてはこちら

司会・ゲスト情報

<司会進行>

株式会社MAKOTO WILL 代表取締役 菅野永
東北大学農学部卒。地方銀行、公務員を経てMAKOTOへ参画。二輪レースで大怪我をした経験から、「残りの人生かけて大きな挑戦がしたい」という思いが芽生え、ベンチャーの世界へ。福祉系ベンチャー企業への出向も経験し、会計・オペレーション改善・販売促進・組織構築など現場での幅広い経験を持つ。 2018年7月にMAKOTO グループ化に伴い、MAKOTO WILL代表取締役就任。

 

<ゲスト>

神戸市 企画調整局 つなぐラボ特命課長 秋田大介 氏
主に都市計画の部門に携わる土木系技術職員。神戸のまちづくりにおいて、市民や同僚をはじめ多くの人を巻き込みながらまちの将来像を描いている。関わったプロジェクトは、都心三宮再整備プロジェクト、1000 SMiLE Project、都市空間向上計画など。現在は縦割り行政を解消するために創設された通常業務のない遊軍であるつなぐラボの特命課長。「公務員アワード」等数々の賞を受賞。

秋田氏は、これら公務員としての活動のほか、10歳の長男と7歳の長男を育てる「イクメン」、障害児と海で遊ぶ活動を行うNPOの副理事長を務める「社会活動家」、ダンサーやアートプロジェクトなどの「ストリート」という計四つの顔を持ち、多方面で活躍されています。

テーマ①神戸市の働き方改革について

神戸市役所ではリモートワークができる体制を整備するだけではなく、電子化・ペーパーレス化など、業務効率化と働き方改革をセットで進めています。

①業務効率化の取り組み
・電子化・ペーパーレス化の推進
・市民の皆さんが、区役所になるべく来庁せずに各種手続きを行えるようにするために、ICT活用や電話問い合わせの削減

②働き方改革の取り組み
・コロナ禍で注目されているリモートワークの普及
・カフェなどで働けるようにするモバイルワーク
・電車の混み具合や子どもの送り迎えに柔軟に対応できるフレックスタイムの導入
・庁舎ではフリーアドレス制を採用し、自分の席が決まっていない働き方

秋田氏:これらを推進したことで、コストや手続きが削減されるなどの成果につながりました。また注意点として、何も対策しなければ取り残される部署も出てくるため、そこをどうカバーするかも考えていく必要があります。

しかし、一足飛びにこのように上手くいくかといえば、そうではありません。神戸市では2018年よりも前から、細かくロードマップを作成して推進してきました。

神戸市の働き方改革(業務改革)資料はこちら

テーマ②秋田氏のリモートワークの状況について

ー普段のスケジュールを紹介いただきながら、在宅勤務で活用しているツールと在宅勤務の環境についてお話いただきました。

秋田氏:私は、緊急事態宣言が発令された頃からほとんど出勤していません。

在宅勤務においてはこれらのツールを良く使っています。

スケジュール

お互いのスケジュールを把握する際に活用

伝言・所在

職員との電話で不在だった場合に、ふせんのような形で伝言を送信

掲示板

全庁で利用している掲示板で、様々な情報を共有

文書管理システム

電子決済のシステム

庶務事務システム

出勤管理のシステム

Chatlack

職員同士でテーマごとにグループを作成できるチャットツール

IC3

Web会議の際に活用

また在宅勤務の環境、風景はこのようになっています。

在宅勤務の環境
・自分が仕事をしている横で子どもが勉強している
・PC、LTEが役所から支給されている
・Zoomを活用するために、新たにiPadを購入。職場のPCとスマホ、個人のiPadとスマホの計4つで仕事をしている

 

神戸市では、リモートワークの推進のために設備投資していることにより、在宅であっても職場にいるのと同じように仕事ができます。

また在宅勤務あるあるとしては、平日と休日、時間内と時間外の区別がなくなることです。夜や土日に予定を詰め込むことでずっと仕事ができてしまうので、適度に体を動かすようにしています。

自治体と共に地方から日本をおもしろく