事業者や若者の挑戦を応援するまちへ

 

ーー続いて、「若者がチャレンジしやすい環境の整備」に関してお聞かせください。

これに関しては「創業者支援事業補助金制度」と「松島高等学校観光科」に関してお話しします。

まず、1点目の「創業者支援事業補助金制度」は、新たに起業した方に対して上限100万円を交付しているもので、2016年に開始しました。

約4年間の間に、この制度を活用して新たに起業された方は15名に上ります。

 

ーーそれは素晴らしいですね!

新たに起業する方が増えたことによって、まちにどのような変化がありましたか?

その15名の事業者の方々が1つのグループのようになって、商工会等の町内の既存コミュニティと連携をとるようになりました。

起業家の熱量を受けて、商工会も新たな挑戦をするなど、商業界全体が活性化している印象があります。

商工会の新たな挑戦の例に、松島高等学校観光科とコラボレーションして、若者の目線を取り入れた旅行や商品の企画をするというものが挙げられます。

 

ーー松島高等学校観光科は、2点目に挙げられていた取り組みですね。

「観光科」というのは全国的に見ても珍しい学科だと思いますが、生徒たちはどのようなことを学んでいるのですか?

松島高等学校観光科は、日本三景「松島」を学習素材として活用しながら、観光産業やそれに関連する産業・業種に携わる人材を育成するために2014年に新設されました。

観光科の生徒たちは、座学の他、以下の表のような実践的な学びを通じて、観光業はもちろん、これからの時代に必要な自分で考えて行動する力を身に付けています。

実践的な学びの例 概要
観光施設実習 ホテル実習、ガイド実習、販売実習等
研修旅行 県内外の観光地、伝統産業、伝統行事等の体験旅行
体験型観光実習 観光農園、田植え、地引き網、茶華道等の体験実習
実践授業 第一線の職業人による実践指導や大学の出前授業等
旅行企画、商品開発 地元産業界や大学との連携による実践演習

中でも「観光ボランティアガイド」というのは大変な好評を頂いております。

こういった学びを通して、「ゆくゆくは地元・松島の観光業に携わりたい」と思う生徒が多く現れることを期待しています。

挑戦者と共に次世代の松島をつくる

 

ーー最後に、今後に向けた意気込みをお聞かせください。

先述の新たに起業した15の事業者のうち、Iターンが3件、Uターンが3件です。

このように、松島に戻ったり、移住したりして新たな挑戦をしたいと考えている方は一定数いらっしゃるので、引き続き、こういった方々を受け入れる土壌を作りたいと思っております。

同時に、こういった町内でチャレンジする若者と顔を合わせて、彼らが今、何を町に求めているのかについて、意見を聞くことが大事だと考えています。

また、松島水族館の跡地に、松島離宮という商業施設が今年の6月末頃にオープンする予定です。

飲食店や物販はもちろん、松島町が保有する歴史資料の展示ギャラリーや、子どもや外国人観光客向けの体験コーナーも設置される予定です。

観光客数は震災前の水準にはまだまだ達していません。

松島離宮のオープンを起爆剤に、観光業全体の活性化を図っていきたいです。

松島離宮の完成予想図(松島離宮公式サイトより)

どの施策も、若者世代の意見を積極的に取り入れようとする姿が印象的でした。

貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!